スキンケア&薬草おたくが藍を配合した洗顔石鹸を作り始め、会社まで立ち上げて奮闘中。

2009年06月09日

泣けてくる

本日始発の飛行機で、大都会に打ち合わせ&仕込み&リサーチに

やってまいりました。

どちらを向いても、みんな必死。

仕事をしている人はみんな必死。

その必死さでどこを目指すかで、まるで結末が違うということも

如実に目の当たりにしたりして、考えさせられます。



今日の一番最後の仕事は代官山にあるエジプト大使館でのセミナーで、

古代エジプトで空前絶後の発達を見せたナチュラルコスメのレシピの一端や

考え方などを聴いてきました。

クレオパトラが好きだった香水を再現した香りをかいだり、古代エジプト人が毎日

快適に眠るために用いたお香の香りをかがせていただいたりして、

「!!」な発見もありました。



薬品と香粧品はほぼイコールの役割を持っていて、役にたち、快適であることが

大前提だった古代エジプトのナチュラルコスメの世界が、まぶしく見えました。



ここからはちょっと毒舌入ります。

すみません。



とくに都会の業者様からの依頼でオリジナル商品の企画や製造に携わる時、

「何が売りたいのか?」と首をかしげたくなる事が時々あります。

お客様の役に立つ商品であることに焦点が絞られていれば、私も混乱しません。

企画の段階で肌への効果云々の説明もそこそこに、「付加価値をつけるために●●を

入れてもらえませんか?」「それでは付加価値があまりに薄いので…云々」

お客様が「買いたくなる理由」が必要であることはよくわかるけれど、

「付加価値のための付加価値」って、なんか意味があるのでしょうか?



神経質になりすぎる必要はないかもしれません。

このご時世、確実に仕事を手に入れることが最優先です。



でも、私の心の底は頑ななんです。

お客様のために本当にいいことをするためではなく、

ただ売るためだけの、薄っぺらな工夫。

そんなの、フェイクだ。

モノ作りの現場がそれを認めたら、市場が腐る。

だからとっくに、あらゆるジャンルの市場もモノ作りの現場も

ひどいことになってる。

お客様が、何に、お金を払っているのか、本当のことを言えるメーカーは

日本にどれだけあることでしょうか。

藍色工房が立ち上がったのは、お客さまに安心して

お買い物をしていただけるモノ作りをするためです。



フェイクだろうがなんだろうが、お金を持った人が勝ちという世界ならば、

ビジネスにはモラルもスキルも必要ないということになるじゃないの。

そんな仕事しかない国で、子供に夢を持てなんて、言えません、言えませんよ。



藍色工房のビジネスのスピードが遅いのは、こんな私が社長だからです。

スタッフのみんな、ごめんなさい。



でも、どうしても譲れない。

どうしても。

この国に、最後の最後まで、希望を持っていたいから。



明日も、最終便の飛行機に乗るまで、大都会の空の下を駆けずりまわります。

上京前に主人が買ってくれたキャリーケース(めっちゃ軽く動く!!)と、

初めて食べたスパイシーなエジプト料理が、思わぬエネルギーをくれて、

いつもの出張よりかなり元気です。

行くぞ行くぞ~~、明日も行くぞ~~~!!

泣けてくる 

心をつくした仕事が伝えられていく世の中であり続けられるように、

ちっさな会社のちっさなプライドは今のところ捨てません。

生意気と思われても、もういいです。

お客様に、本当に安心していただけることと、それを続けることのできる仕事を

選んでいきます。



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テレビ「知っとこ!」「笑ってコラえて!」「魔女たちの22時」「グラン・ジュテ」で
紹介された元祖藍染めスキンケア洗顔石鹸の藍色工房はこちらです☆
http://aiironet.com/



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この記事へのコメント
付加価値のための 付加価値



すごくわかりますっ


大切なお客様のために

という想いを忘れて動き出すものは

切なく むなしいですよね
Posted by hatchiy at 2009年06月09日 08:40
確かに。売れれば何でもいいという売り方もあると思います。
テレビでやってる○パネット○カタみたいに・・。
あれにこれもつけてあれもつけますジャストいくら!!みたいな。
良く見てるといらないものばかり。(笑)
総理もそうですがぶれまくってるという点でぶれてないんでしょう。(苦笑)

そういえば、ぽけもんやなんかのソフビとラムネが付いて売ってたりします。
あれは昔から思うんですが、ソフビがおまけ(付加価値)なんでしょうか。
ラムネがおまけ(付加価値)なんでしょうか。
文章を読んで素朴な疑問です。
Posted by はちべい at 2009年06月09日 10:07
エジプトって聞いて少し懐かしくなりましたぁ^^
はずかしながら新婚旅行がエジプトでしたwww

古代エジプト人の快眠のための香りも思い出しましたぁ^^
ほんとに歴史を感じます^^
都会の業者さんの依頼のおはなしですが、なにかわかるような
気がします^^
小さな会社の小さなプライド^^とっても大事だとおもいます^^
だからこその藍色工房のファンがいるわけですからね^^

わたしなんか、みきさんよりもっともっとのんびりやってるんですよw
でも、夢はいつかきっとかなうと信じて動いています^^
Posted by ささやん!! at 2009年06月09日 10:21
とってもよく分かります。
だし、絶対にそういう思いは貫き通して欲しいです!
これは使う側の意見としても。
売れるモノづくりじゃなく、安心したモノづくり。
なかなか難しいところはあると思いますが、きっと“売れる”が伴ってきます。
商品は心だと思いますよ。
Posted by sayury at 2009年06月09日 15:14
付加価値=差別化と勘違いしている方が多いです。

良質であるがゆえに
その物が他のものよりも売れるのがホンマの道理。



しかし、売る側からしたらキャッチーなコピーが
ほしいが故に「付加価値」を言うところが多い。

毒を吐かしてもらうならば
それは売る側がちゃんと
商品についての知識がないということです。


確かに販路はほしいけど
自分の大切にしないと
根元から崩れる。


1月の私を見るようで
本当によくわかります。





またジャパンエキスポから帰ったら
打ち合わせしましょう!
Posted by まつ宵 at 2009年06月09日 21:49
その通りです。
頑張って下さい。
商業主義だけでは、本物は作れません。
本物はいつか世に認められます。
思いを込めて物作りして下さい。
本当に微力ですが、応援しています。
Posted by ladys-kawanishi at 2009年06月09日 23:27
hatchiyさん
魂込めて仕事する人には、ストレートに「あるね、しょっちゅうね」と言われるような独り言になりました…
姑息な「手段」を講じるのがほとほと、ほとほと嫌になってるんです(笑)
お互い、精神衛生を保てるように、十分気をつけてまいりましょう。
自分で吐いた毒に当てられては元も子もありませんものね☆

はちべいさん
○パネットさんは、すごい努力をされているんですよ☆
特に電機物を扱いなれていない人向けに非常によく考えられたサービスをどんどん打ち出されています。
玄人には必要ないけど。
その辺、「どんな人にとって親切なお店になるか」ということを明確に決めて取り組まれているので、私としては面白いなと思っています。

食玩は…あれは…
「ねえねえ、お母さん、これはおもちゃじゃなくておやつでしょ?」と
子供が言えるように作ってあるのです(爆)
あれは、付加価値というより、すでに確立されたジャンルだろうね。
「すっごいおまけがついているお菓子」。
二つで一つの離れられない関係。
Posted by ばんどーみきばんどーみき at 2009年06月10日 00:02
ささやんさん
新婚旅行はエジプト!!いいですね!!
私も行ってみたいです。テーベのあたり。
ハトシェプスト神殿は憧れです…
お互いに、コツコツ歩いてまいりましょう。

sayuryさん
はい、「売れる」が伴うまでに、残っていられるように、続けてまいります。
商品にこめた心が、お客様のお役にたてるように、お客様の安心につながるように、続けてまいります。

心をこめてお仕事をしてくださってたsayuryさんの姿、ちょっと思い出しました。
Posted by ばんどーみきばんどーみき at 2009年06月10日 00:23
まつ宵さん
まさに、この記事を書いている時、1月のまつ宵さんの記事を思い出していました。
その次の月には私もギフトショーに行って「もやもや」して帰って来たんですが…
今回は腹を決めることができました。
品質と価格という点では競争そのものが成り立ちにくくなってきた「売場」に最後に問われるのは、お客様へのサービスの質や心がけといったものでしかないと思うんです。
だけど、そのことに本当の意味で気づいている売り場は驚くほど少ないように思います。
場当たり的に「お客様第1主義」を声高に宣言するところは山のようにあるけれど…
たとえば三越さんのように、お客様に丁寧に接することを日々積み重ねるということを肝に銘じることを、どんな小さなお店でも、どんな業種のお店でも取り組んでいかなければいけないはず。
その取り組みの中で、「モノを知る」という作業が必要とされるはず。
ジャパンエキスポから戻られたら、お茶にでも行きませんか?←軽くナンパ♪

ところで、今回のエジプト大使館訪問には、まつ宵さんのコサージュをつけて出かけました。
いい!!すごくいい!!心強かったです。

ladys-kawanishiさん
真面目な取り組みのお店に応援していただけるということが、どんなに心強いことか…本当にいつもありがとうございます。
私も、もっとladys-kawanishiさんやお客様に喜んでいただけることを考えていきます。
ほとんど、お任せしっぱなしなので…
今後ともよろしくお願いいたします!!
Posted by ばんどーみきばんどーみき at 2009年06月10日 00:38
>付加価値のための付加価値

これよくわかります。
僕も前の会社でそういう話がありましたが、頑なに断り続けていました。
一時期は確かにうまくいくかもしれませんが、お客様に対してウソをつく事になるからと思っていました。

が、僕のいないところでこっそり進められていました。
「目先の売り上げだけ」のためにね。
あとは我が妹も御存知の通り。

僕は幸いにして、本当の事を言える立場として残れましたが、結論から言えば、大切なものづくりでどんなに理由をつけても、「そういう事」を平気でする人は一時期はうまくいっても、確実に淘汰されます。

マスコミの報道を見ていたらぶれますが、実際に人間と向かい合っている人は絶対にぶれませんね。
大丈夫。
我が妹が筋を貫こうとするなら、必ずそれに見合った事がやってきます。
諦めないで。
Posted by 感謝星マエカワ at 2009年06月10日 22:59
感謝星マエカワ兄さん
目先の売り上げと、長期的なビジョンの両方をきちんと見据えて動かなければ、社会に役立つ健全な会社にはなれないと、つくづく思います。
「目先の売り上げ」ばかり追っていると、その場しのぎのスキルばかり上達して…「付加価値のための付加価値」みたいなわけのわからないことを言い始める。
冗談やきれいごとではなく、人や社会に役立つことを真剣に考える基本に立ち返る勇気が、いろんな現場で必要なのかもしれません。
上質な情報を収集し、本当に必要とされることを見抜き、自分の役割を担う、非常に基本的な意識をもう一度見直して行動していきたいです。
応援ありがとうございます。どんな過酷な状況下でも、本当に頑張り続けるマエカワ兄さんのような人がいること、肝に銘じます。
Posted by ばんどーみきばんどーみき at 2009年06月13日 20:44
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