スキンケア&薬草おたくが藍を配合した洗顔石鹸を作り始め、会社まで立ち上げて奮闘中。

2012年05月25日

もの作りの現場から

今日はものづくりの現場にいる人間としての雑感を少しお話します。


作ったものが売れたら嬉しいし、使ってくださった方が喜んでくださったら

なおさら嬉しいのは当たり前です。

もっと喜んでいただくために、どうしたらいいのか、どんな提案をしたらいいのか

それを誰に伝えたらいいのか、常に考え続け、試し続けています。



そんな中で、スーパーなどの量販店に買い物に行ったときに、棚に並んでいるものを

まじまじと眺めて、工房を立ち上げるまでは考えたことも感じたこともない違和感が

湧いてくるようになりました。



物の価格には、棚に並ぶまでの全てのコストに利益が乗せられています。

「物の価格」=全コスト+小売店の利益

全コストに含まれるものは、

・原料代 ・加工費 ・包装にかかるコスト(デザイン料・原料・印刷代・パッケージ業者の利益)

・輸送量 ・広告宣伝費(起用芸能人の契約料金含む) ・製造元の人件費 ・製造元の利益

・卸業者の利益 ・見込み歩留り分のコスト(傷などの不良品で廃棄となるものにかかるコスト)

・配送などの梱包資材費  などです。



それだけ踏まえてこの値段。しかもこんなにたくさん並んでいる。

棚いっぱいに並べられている商品のどれくらいが実際に購入されているのでしょうか。

廃棄となる商品はどれくらいあるのでしょうか。

それを廃棄したとしても利益が残るということは、物そのものの実際の価値は

いったい、いったい、いくらなのでしょうか…


6年前、藍色工房の石鹸をとある大手化粧品メーカーで評価して

いただいたことがありました。

その時に言われた言葉が今でも忘れられません。



「弊社が同じ材料と同じ製法でこの石鹸を作ったなら、1個3万円の石けんに

なるでしょう。御社は本当に、事業をするおつもりがあるのですか。」




ビジネスのビの字も知らないうっかりした女のすることですから、敏腕サラリーマンが

あきれ返るのも無理はありません。

私達は自分たちで「企画」して「自分で作って」「販売」するから、なんとかやって行きます、

って言うしかありませんでした。



本当に大切にしたいことを、お客様にお届けする。

それをかなえるために立ちあげた工房です。

「本当に大切なこと」ってつまり、家族で使いたいと思えるものや情報です。

そこには、100年後も続けられる物作りをイメージしています。

人にも環境にも負担をかけず、可能な限り循環していく物作り。



藍色工房が、化粧品業界においても藍染め業界においても、すっとんきょうな位置に

いるのはウスウス感じています(汗)

この位置にいるからこそ提案できることを大切にしていこうと開き直っています。



物があふれる時代だから、物がそこにあることに感謝の気持など湧かないし、

物作りの現場がいかに過酷な状況にあるか思いをはせる人は本当に稀です。

桶ひとつ、座布団ひとつ、職人さんの仕事に感謝して使っていた時代の心を持つなんて

確かに現実的ではないですよね。



いろんな感覚が廃れ過ぎている危機感を感じます。

身の回りの細やかなことを他人事にしない意識が少しずつ深められるように

なれば、何かが変わっていきそうなのに…

私一人が悶々としているだけではどうしようもありませんね。



とにかく、藍色工房はスタッフ一丸となって、大切にもの作りを続けていくつもりです。

もの作りの現場から

万人に愛されなくてもいい。

本当に共感してくださる方や必要としてくださる方に、必要なだけお届けできるものを

作っていきたいです。



今日は珍しく真面目なお話でした。

お付き合いくださってありがとうございました。

がんばってまいります。




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紹介された元祖藍染めスキンケア洗顔石鹸の藍色工房はこちらです☆
http://aiironet.com/



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Posted by ばんどーみき at 23:20│Comments(0)徒然と
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